思い出す手がかりが少ないほど記憶は定着

勉強で覚えた内容を自分から、能動的に思い出すことを、専門的には「アクティブリコール」と呼びます。情報は脳にインプットするだけでなく、インプットした情報を脳からアウトプットすることで、記憶に定着しやすくなることがわかっています。情報を思い出す(使う)ことにより「この情報は重要」と脳に認識させるイメージです。

繰り返し読むより思い出すことを重視したほうが覚えやすい

僕がアクティブリコールの効果を特に実感したのは医学部時代です。医学部2年生のとき、春休みの直後に解剖学の試験がありました。解剖学は覚える項目が非常に多く、学年の半分近くが落とされてしまう試験でした。本来ならば休みをしっかり使って勉強するべきなのですが、僕はどうしてもインドでバックパック旅行をしたかった。解剖学の教科書は分厚く旅行に携帯できないので、重要なページだけコピーして携帯し、旅先で隙間時間に、白紙に書き出すというアクティブリコールを行いました。結果はどうなったか。インド旅行直後に受けた試験は、余裕を持って合格することができました。