若者や女性ドライバーが狙われやすい

このようなボッタくり被害に遭うのはどのような人たちなのか。前述の国民生活センターへの相談事例をまとめると、運転経験が浅かったり、車トラブルの知識に乏しかったりする20代の若者や女性ドライバーに被害者が多いことがわかっている。

・男性が約 67%、女性が約 33%
・平均年齢は約 36 歳だが年代別では 20 歳代が最も多く、全体の約 36%を占める
・職業は給与生活者が全体の約 74%を占め、次いで学生が約 9%
・契約金額の平均は約 8 万 8000 円。価格帯別にみると「5万円未満」(約 38%)、「10 万円未満」(約 36%)、「50 万円未満」(約 25%)、「50 万円以上」(約1%)

悪徳業者に騙されないためにはどうすればいいか。

まず思い出すべきは、契約している自動車保険(任意保険)や自動車共済に無料で付帯されるロードサービスである。対人・対物のみの契約でもOK。損保各社に24時間対応のロードサービス専用デスクがあるので、そこに連絡することから始まる。なお、ロードサービスを使っても等級ダウンはなく、翌年からの保険料が上がることもない。

保険契約者以外でももちろん利用できる。任意保険(共済含む)の加入率は全国平均で約9割と非常に高く、自家用車のほとんどが加入している状況だ。バッテリー上がりやパンク、キー閉じ込みなどのトラブルに対して何十万円も支払う必要はなく、無料で対応してもらえることを今一度知っておいてほしい。

損害保険のロードサービスは至れり尽くせり

しかし、トラブルに遭った車が家族所有の車だったり、友人の車だったりすると、とっさにどこの保険会社に連絡すればよいかわからない場合もあるだろう。そんな時は遠慮なく車のオーナーに保険会社を聞くべきだ。

また、遠隔地でトラブルに遭遇し、車を現地の整備工場に入庫した場合、飛行機や新幹線、レンタカーなどの利用代金や空港や駅までのタクシー代などの「帰宅費用」も無償となる。

その日に帰れない場合の宿泊費用やキャンセル費用なども人数分補償される。修理が終わった車を積載車に載せて、家まで届けてくれる費用も無料。自分で引き取りに行く場合も1人分の飛行機代や新幹線代などの交通費が出る。

ガス欠で不動となってしまった場合、はガソリン代10Lまで無料で届けてくれるのはもちろん、保険会社によってはガソリン代も無料で届けてくれるところもある。(JAFはガソリン代実費)

至れり尽くせりで驚くが、損保のロードサービス利用で重要なことがある。それは、レッカー車の手配など、最初にロードサービスを依頼するところから損保に頼むことが絶対となることだ。損保に連絡する前に自分でレッカー業者を呼んだ場合は諸々の無料サービスが有料となる場合も多いので要注意。また帰宅費用や宿泊費用などについても保険会社と事前にしっかり相談して決めることもお忘れなく。

※保険会社や契約内容によって無料となるロードサービスの範囲が異なる場合があります。