体や脳の老化を防ぐにはどうすればいいか。医師の和田秀樹さんは「身体と頭を使えば使っただけ、老化を遅らせることが可能だ。逆に、体が動かないとき、体調がすぐれないときに『もうだめだ』と落ち込むと、いよいよ体や脳の老化を速める。マイナス思考に陥りそうになったときは、『なんとかなるさ』とつぶやいてみるといい。たったこれだけのことで、脳内にドーパミンという『やる気ホルモン』が出る」という――。

※本稿は、和田秀樹『どうせ死ぬんだから』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

手すりを持つ年配の女性
写真=iStock.com/Hanafujikan
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80代からは老いの成り行きを味わう

「人生100年時代」という言葉が現実味をおびてきました。

いま日本には、100歳以上の人が約9万人います。2050年には、日本の女性の平均寿命は90年を超えるとも予測されています。

しかし、いまよりさらに若返りが進んで、寿命が延びていくわけではありません。栄養状態の改善はもうピークを迎えていますから、ここまで進んできた若返りも頭打ちになるでしょう。

栄養状態の改善が老化を遅らせ、日本人の寿命の延びを牽引する時代は終わり、これからは医学の進歩によって、「死なない」から「より長寿」になるのです。

つまり、人生100年時代とは、老いを迎えてから死ぬまでの時間が長くなったということです。この引き延ばされた高齢期をいかに元気に楽しく、そして自分らしく生きられるか――。

私は、「老い」を2つの時期に分けて考えることがカギだと考えています。

ざっくり言えば、70代は「老いと闘う時期」。そして、80代以降の「老いを受け入れる時期」です。

老いを受け入れるとは、老いるままにショボくれていくという意味ではありません。衰えを素直に認めて、それぞれに対応しながら上手に賢く生きようということです。

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