広告料を払って「上位の検索結果」に表示させる
グーグル検索では公式サイトがトップ表示されるのが一般的です。しかし「えきねっと」の検索結果で、偽サイトがトップ表示されたことがありました。それが図表4で、「えきねっと‐JR東日本」と書かれていますが偽サイトなのです。
URLは「eki-net.su」となっており、前半は公式と同じですが、末尾の「.su」は旧ソ連圏のドメインで、偽サイトだったのです。
よく見ると上に「スポンサー」と書かれています。つまり犯罪グループはお金を出してグーグル検索広告(リスティング広告とも呼ばれる)を買っていたのです。
本来であれば、グーグルはこんな広告を受け入れるべきではありませんでした。しかしネット広告の多くは審査が不十分な場合があり、詐欺広告が通ってしまうことがあります。
クレジットカードさえあれば、よほどのことがない限りは自動的に広告を出稿できます。後でチェックが入ったり、グーグル側に報告があれば削除されますが、それまでは表示されてしまうことがあるのです。
実際にこの詐欺広告が出たのは2022年3月で、ほぼ丸一日表示されていました。これらの詐欺広告は、グーグルだけでなくSNSにも多くあります。目立つのはインスタグラムやフェイスブックで、偽ブランドを売る詐欺サイト広告などの他、2024年春に社会的な問題になった、有名人を騙った投資詐欺の広告もありました。残念ながら、現状のグーグル広告やSNS広告の信頼度は、低いと言わざるを得ません。
本物と確信できないサイトのリンクは押さない
これらフィッシング詐欺、偽メール・SMSの対策を図表5にまとめました。基本は「リンクは本物と確信できない場合は押さない」こと。届いたメールやSMS(ショートメール)のリンクは、本物と確信できない場合は押さないことが重要です。
本物と偽物を判別できればいいのですが、ここまで紹介してきたように様々な偽装・騙しのテクニックを使ってきており、判別が難しくなっています。それよりも、リンクは押さないと心がけたほうが安全です。
もしメールやSMSの内容が気になる場合は、事前に記録したブックマークから公式サイトへ行って確かめてください。「不正利用された」などのメール・SMSが来て不安なら、公式サイトからメールや電話で問い合わせてください。
フィッシング詐欺の手口は年々進化しており、今後さらに巧妙になる可能性があります。メール・SMS・ネット広告を安易にクリックしないように心がけましょう。