「爆買い」が終わった中国客の次の動向は

ただ、来訪客の増加について不確実な要素もある。一つには、中国からの来訪者がどうなるかだ。2023年8月、中国政府はわが国向けの団体旅行・パッケージツアー商品の販売を再開した。ただ、コロナ禍前のように、クルーズ船で中国人観光客が来日し日用品や家電などを大量に購入する(一時、爆買いと呼ばれた)光景は見られなくなった。

中国の家計貯蓄率は約35%(2019年)、うち約7割が不動産とみられる。住宅価格の下落、債務返済負担の増加、雇用・所得環境の悪化など先行きの不透明感から、支出を減らそうとする中国の消費者は多い。

今後の中国経済の展開も、わが国のインバウンド需要の増加に無視できない影響を与えるはずだ。また来訪客の増加に大きく寄与してきた、円安傾向が変化することも考えられる。もし為替に大きな変化が出るようだと、来訪客の推移に影響が出ることも考えられる。

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