採点者は好意的に読んではくれない

Bの文は、原因と結果という「関係」を意識して書かれたからこそ、分かりやすい文になっているのです。

たしかに、Aの文でも、読み手が好意的に解釈すれば、そこにある因果関係を推測できます。

しかし、多くの読み手は通常、好意的ではありません。

とりわけ、読解問題の採点者は、記述解答を好意的に読んではくれません(むしろ、その逆です)。

否定のポーズをとるビジネスマン
写真=iStock.com/masamasa3
採点者は好意的に読んではくれない(※写真はイメージです)

「ので」「ため」「から」をつければよいというものではない

ここで、ひとつ例題を挙げておきましょう。

次の文を、因果関係がはっきりした文に書きかえます。

バスで行くとお金がかかりそうで、自転車で行くことにした。

真ん中の「で」の部分がポイントですね。答えは次のようになります。

バスで行くとお金がかかりそうなので、自転車で行くことにした。

ただし、何でもかんでも「ので」「ため」「から」などをつければよいというものではありません。つけ過ぎは禁物です。

たとえば、次の文。

朝がきたので明るくなったので、目が覚めた。

朝がくれば明るくなるのは当然ですし、明るくなれば目が覚めるのも自然なことです。このように、あえて因果関係を説明するまでもない自明の内容には、「ので」などをつける必要はありません。次のような文で十分です。

朝がきて明るくなり、目が覚めた。