子どもの国語力を伸ばすにはどうすればいいのか。横浜国語研究所代表取締役の福嶋隆史さんの書籍『塾へ行かなくても得点力がぐ~んと上がる!ふくしま式で身につく!国語読解力』(大和書房)より、国語力を伸ばす秘訣をお届けする――。

読書は好きなのに国語の成績が上がらない

「うちの子、国語の成績がなかなか上がらないんです。読書は好きなほうなんですが」

これは、私の塾に入門してくる小学生のお母さんの言葉です。

半数以上の方が、このように話します。

皆さんが強調するのは、「読書は好きなほうなんですが」の部分です。

読書をしているんだから、国語力が自然に身についてもおかしくないはずなのに。

そんな思いが感じられます。

しかし、まずここに一つ目の勘違いがあります。

いわゆる読書というのは、「多読」のことです。一ページごと、一段落ごとに立ち止まって詳しく検討するような「精読」とは異なる、量を優先した読み方です。

「多読」では国語の成績は上がらない

一方、国語のテストで求められるのは、「精読力」です。

どんなに多読を繰り返しても、意図的な精読の練習を積まない限り、そう簡単に成績は上がりません。

リビングルームで本を読む子供
写真=iStock.com/takasuu
「多読」では国語の成績は上がらない(※写真はイメージです)

しかも、小学生の読書と言えば大半が物語文です。

精読力を磨く際にまず読むべきは、論理的な筋道が明快に示されている「説明的文章」であり、それがあえて隠されている「文学的文章」ではありません。

どんなに物語文を多読しても、国語の成績には直結しないのです。