「自分のときはね……」と前もって断っておく
心の目線が同じ位置で、心から本当に共感できれば、相手との心の距離は縮まります。
本当に相手の心に寄り添いたいと思えば思うほど、「その気持ち、わかる」と軽々しくは言えなくなるものです。
なぜなら、仮にあなたが相手と同じような体験をしたとしても、あなたが経験した悩みや苦しみと、相手が経験している悩みや苦しみが、まったく同じとは限らないからです。
とはいえ、例えば仕事上のミス、パートナーとのケンカといった、似たような体験であれば、お互いの共通点は見つかるでしょう。
その場合は、「自分のときはね……」と前もって断っておいて、当時体験した悩みや苦しみ、自分が感じていたことを伝えてみましょう。
それに対して、相手が「そうそう」「私も同じです」と言ってくれてはじめて、「その気持ち、わかる」が成り立つのです。
相手から、自分と似ているけど、少し違う気持ちが出てきたら、その気持ちに寄り添ってみましょう。それが相手の心の傷を癒やして、相手とさらに深くつながるきっかけになることでしょう。
ほめるポイントは、その人しかできないところ
「承認欲求」が丸出しで、「ほめてもらいたいオーラ」が全開、さらにほめないと機嫌が悪くなる人は、扱いがちょっとやっかいですね。
そんな相手から嫌われたり、場の雰囲気が気まずくなったりするのも嫌なので、適当にほめてしまうと、相手から「わざとらしい」と思われて、さらに面倒です。
「目についたもの、耳に入ってきたものを、なんでもほめておけばいいや」程度の考えでほめてしまうと、相手からは「わざとらしい」と思われてしまいます。
上手にほめるには、次のコツを忘れないでください。
「その人しかできない」「その人だけ」の理由を探して、ほめるのです。
高価なブランド品など、所持品や身に着けているものをほめて欲しいと思っている人には、目についたものをそのままほめておけば大丈夫です。
しかし、そうではない人に同じほめ方をすると「時計だけ?」「バックだけ?」と、見ているのはモノだけで、人柄や気持ちはスルーしていると思われてしまいます。
同じ洋服をほめるにしても「そのコーディネート、素敵です!」というほめ方なら、相手のセンスをほめたことになって効果的です。
何かの行動をほめるなら、「そこまで続けるなんて、なかなかできない」「こんなに細かいところまで気づいてくれて、ありがとう」というように、「自分ではとてもできない(気づかない)ことをしていて、すごいです」という気持ち、つまり「あなたにしかできないこと」をセットで伝えるといいのです。