嫌いな相手と距離を置くにはどうすればいいか。感情コンサルタントの神谷海帆さんは「質問のブラック・テクニックを活用すれば、自分が相手を嫌っているという気持ちは隠しながら、嫌いな相手と距離を置ける。相手の答えに対してまったく共感せず、次々と質問を重ねていくと、相手はなんだか尋問されているように感じ、答える気持ちがだんだん薄れてくる」という――。

※本稿は、神谷海帆『感情のメッセージに気づくと、人間関係はうまくいく』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

ビジネスウーマンとカジュアルな男性の手のジェスチャー
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相手から自然に離れてくれる、「開かれた質問の続け方」

コミュニケーションのテクニックでは、「こうするといい」という方法がたくさん存在しますが、これを逆手に取ることもできます。

距離を置きたい相手の中には、なかなか距離を置けない人と、本当は離れてもいいのだけれど、友達やグループ、職場の同僚など、自分から離れるわけにはいかない人がいると思います。

自分から離れるわけにはいかない人については、「できれば『相手から』『自然に』離れてくれればいいのに……」、というのが本音ではないでしょうか。

とは言え、自分が相手を嫌っているという気持ちは隠したい。

できれば、「自分は相手に興味を持っているのだけれど、あなたが離れてしまったのなら、それは仕方がないですよね……」という状況に持っていければベストです。

そうした状況を実現するのに、質問テクニックを活用しましょう。

コミュニケーションの技法としてよく言われることなので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

質問には2種類あって、それは「開かれた質問」と「閉ざされた質問」です。

閉ざされた質問とは、「はい」「いいえ」で答えられるものです。

「これ好きですか?」という質問に対して、相手は「はい」もしくは「嫌いです」と答えます。この閉ざされた質問では、会話があまり長続きしないのがわかります。

これに対して、開かれた質問とは「はい」「いいえ」で答えられない質問です。

いわゆる「5W1H」で聞く質問というと、イメージしやすいでしょう。

「どんな食べ物が好きですか?」という質問には、「甘い物とかスイーツが好きです」と答えます。開かれた質問では、「はい」「いいえ」では答えられません。

相手は自分の好みや考えを話すことになります。

「へー。甘い物とかスイーツがお好きなのですね。何かお勧めはありますか?」と、相手の答えに対して一度共感しておいて、さらに開かれた質問を重ねることで会話を広げたり、続けたりすることができます。