週3回は筋トレのためジムへ→帰宅後即爆睡
こんにちは。産業医の武神です。私は10年以上の産業医面談経験で1万人以上の働く人たちと面談をしてきました。その経験から断言できるのは、趣味(好きなこと)がある人は、ない人よりもメンタル不調になりにくいということです。
今日は、タフで忙しい仕事をしていても趣味を継続できる人について、考えてみたいと思います。
私のクライエントで最もハードワークな人たちは、単に労働時間が長いだけではなく、人や数字、レイオフのプレッシャーも強い環境で働いています。以前、そこで10年以上活躍してきたAさんに、私は「どうやったらこの職場で10年も持つのか?」と聞いたことがありました。
Aさんは、あまり考えたことはないけれど、平日も週3回は趣味の筋トレのために必ずジムに行くようにしていると答えてくれました。さらに聞いてみると、Aさんの加入しているジムは24時に閉店のため、23時までには入店しないといけない。そのために22時半には必ず退社している。筋トレ中は仕事のことなんて一切考える余裕はない。筋トレ後は疲れ果てて帰宅後即爆睡とのことでした。コロナ後リモートワークが普及しても、疲れ過ぎているため夜に家からログインして仕事することはないとのことでした。
趣味の筋トレに対する情熱と、仕事の後でもジムに行こうと思える気力と体力。Aさんがタフで忙しい環境でも働き続けられるのは、そういう部分が大きいと感じました。
「週末のドライブ」がちょうどいい気分転換に
違うパターンですが、趣味が仕事のモチベーションになっている人もいました。
別の会社でタフに忙しく働くBさんの趣味は宝塚鑑賞でした。1年間に120回公演をみるというBさんは、自分の趣味はお金がかかる。そのお金をしっかり稼ぐために仕事がある。どんなに忙しくても、ストレスを感じることがあっても、全ては自分の趣味のためだから仕事は続けられると、以前産業医面談で教えてくれました。
Bさん以外にも、趣味のオペラやダンス、乗馬やゴルフを続けるために、忙しくてハードな仕事でも、経済的理由をモチベーションの1つとしている人たちを私は知っています。
一方、AさんやBさんのように趣味に熱い情熱をかけていなくても、趣味が仕事の息抜きに上手に役立っている人もいました。
日本に来て2年目の外国人社員Cさんは、週末のドライブが趣味でいい気分転換になっていると産業医面談で教えてくれました。平日の気分転換はどうしているのか聞くと、平日はGoogleマップのストリートビューで、ドライブしたい道をチェックしバーチャルに走っている、毎晩やっているがあっという間に20~30分たってしまうと楽しそうに教えてくれました。