忙しいからこそ空き時間を効率的に使っている

3つめは、その趣味をやることができる、そして継続可能な環境をたもてているかです。

これには、自分で整える環境、周囲からの理解という環境、そして経済的な環境などが含まれます。Dさんは典型的な例でしょうが、Aさんのジム通いを続けている点、Bさんの趣味継続のための経済力を保っている点もこれに該当すると思います。

趣味があるからこそ仕事を頑張れると言っても、趣味の時間を死守するために頑張れる、趣味のお金を稼ぐために頑張れる、費やせる時間に合わせて柔軟に趣味をかえるなど、その内容はさまざまです。

共通しているのは、このような人たちは、仕事で忙しく時間がないからこそ、空いている時間を効率よく使っています。

シーズン中は毎月どこかでトライアスロン大会に出ている人、普通の人が1泊する登山を日帰りでこなして翌日仕事している人、推し活の遠征に行くために新幹線の中でも仕事をする人、さまざまなエネルギッシュな趣味人を私は見てきました。

ハイキング
写真=iStock.com/taka4332
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共通点はタイムマネジメントが上手なこと

彼・彼女らのように忙しいのに趣味ができる人は、時間や仕事のマネジメントが上手な人と周囲からは見えるようです。実際、そのタイムマネジメントスキルやみなぎるエネルギー(気力体力)が仕事に生かされている人もいるでしょう。

しかし多くの場合当人には、時間を上手にマネジメントしているという意識は少なく、単に、仕事以外の好きなことに時間をさくために、無駄な時間を過ごしてはいないのだと思います。別の言い方をすれば、自分の時間を能動的に自分でコントロールしているのでしょう。コントロールできるからこそ仕事ができるのか、仕事ができるから時間を能動的に自分でコントロールできているのかは、鶏と卵の関係と同じで、両方あると思います。そして、自分の時間をコントロールしているから、周りからは無駄な時間がなくマネジメント上手と見えるのかもしれません。

忙しい中でも趣味を継続できているのは、エネルギー(気力体力)にあふれ、マネジメント能力にけている人ばかりではありません。

週2回の趣味の日は絶対に残業はしない人、趣味のために夜の付き合いにNoと言える人、シーズンスポーツ(スキーやサーフィン)のために季節によって働き方を臨機応変に調整している人たちなど、普通の働く人でも、情熱を向けられる趣味があれば、趣味を仕事よりも優先しています。