年齢が離れている相手と話すのが苦手な人は

私は時々テレビで食レポのようなことをするのですが、そこでも、味の分析よりも、一口食べたときの感覚を言います。

このときの伝え方の基本は、「○○でおいしい」です。

「わあ、噛み応えがあっておいしいですね」とか「さっぱりしていておいしいですね」といった具合です。

「噛んだ感じ、結構ガッツリきますね」だと、いいのか悪いのか、中途半端に感じます。だったら「おいしい」をつけて、「ガッツリきて、おいしいですね」とします。躊躇せずに、さっぱりと手短にまとめましょう。

年齢が離れている人と話すのが苦手な人もいます。特に年上だと、失礼にならないかと緊張したり、リスペクトしすぎたりして疲れてしまいます。そんなことで、年が離れた人と話すのが面倒になってしまうのです。

年齢が離れている相手との会話については、敬語を活用することがポイントです。

「敬語は使い方のルールがあって苦手だ」と思う人もいるかもしれませんが、それよりも、敬語を使ってラクになるメリットのほうが、何倍も大きいです。

それに敬語については、難しく考えるよりも、相手を尊重していることがわかるような言い方だけ押さえておけばいいでしょう。

手紙に書くような「お目文字叶いましたら光栄です」「ご指導ご鞭撻のほどお願いいたします」など、普段では使わないような言葉を駆使するよりも、「そうですね、おっしゃる通りです」「なるほど」「そうなんですね」と、少し驚いたふうに合いの手を入れていくほうが、相手を尊重している意思は伝わるものです。

年下の感覚に無理に合わせてはいけない

自分が相手よりも年上の場合は、あまり積極的に彼らの感覚に合わせていかないほうが無難です。

「自分もイマドキの感覚がわかっているよ」と言って近づきたいのは理解できますが、あまりに無理して合わせようとするのは、年下の人にとってはやや気持ち悪さを感じさせかねません。

それより知らないことは知らないこととして、そのギャップを残しておいてもよいのではないかと思います。

私自身、長年、大学で授業をしているので、今の若い人の感覚に比較的近いと思っています。だからといって、若者の行動すべてを真似できるかというと、そうではありません。

たとえば、若者言葉を使うのは抵抗があります。「違わない?」を「違くない?」とは言えませんし、「真逆」という言葉も使えない。反対に思わず伝染してしまう言葉もあって、「エモい」は、使いやすいのですぐにうつってしまいました。

迎合せず逆らわず、自然に対応するのがいいのかなと思っています。