「幸せホルモン」の出る仕事を選んだほうがいい

私は、仕事を通じて、精神的に充実感や幸福感を感じられる人のことを「セロトニン・ワーカー」と呼んでいます。

セロトニンは、別名「幸せホルモン」とも呼ばれる神経伝達物質です。セロトニンが分泌されると、精神的に安定したり、心身がリラックスしたりします。セロトニンによってストレスが軽減し、睡眠の質が向上することも知られています。

どんな仕事も山あり谷ありですから「セロトニンを放出しっぱなし」というわけにはいかないでしょう。しかし、天職を探すならば、ひと時でも、セロトニンが放出される仕事を選ぶべきです。仕事探しをする際には、その点をしっかりと見極めてみてください。

よく、生活するための仕事のことを「ライスワーク(=ごはんを食べるための仕事)」などと言いますが、ライスワークでは人生の幸福度はなかなか上がりません。

時間が経つのを忘れるくらい充実した瞬間がある「ライフワーク(=自分の人生(life)の中で、追求し続けたい仕事)」を探してください。それが、あなたの人生を好転させる有力な手段です。

笑顔のビジネスマンたち
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「給料が高いだけの求人」には要注意

天職かどうかを判断するときには、「誰かの役に立っている充実感(=自分の存在意義)」が感じられるか否かもチェックしてみてください。なぜならば、他者貢献につながらない仕事は、潜在意識レベルで、あなたの心が「拒否反応」を示し、精神をすり減らしていくことが多いからです。

事例を1つ挙げますので、一緒に考えてみましょう。たとえば、次のような求人があったとします。

【職種】 営業職
【仕事内容】 不動産投資用のマンションを販売する
【給与】 月給40万円+インセンティブ
【ボーナス】 通常4カ月(業績に応じて変動あり)
【社会保険】 完備
【年間休日】 120日
【福利厚生】 会社が所有するリゾートホテルの宿泊券(5日分)を提供

営業職に強い興味がある人や、バリバリと稼ぎたい人ならば「なかなか好条件の求人だな」と感じるかもしれません。しかし、この不動産仲介会社に、次ページのような側面があったら、あなたはどう感じるでしょうか。

・「高利回りだから必ず儲かる」「絶対に利益が出る」といった営業トークで、強引に物件購入をすすめる
・劣悪な立地条件や築年数の古さから「満室経営」が難しいマンションを、相場の1.5倍で売りつける
・顧客から寄せられたトラブルやクレームの対応は行わない

「顧客の利益」は無視。ひたすら「会社の利益」を追求する!