天職だと1日があっという間に過ぎる
たとえば、子どもが遊びに夢中になっているのもマインドフルネスですし、スポーツや作業などに集中していたら、それもマインドフルネスです。ですから、無心になるよりも、実はずっと簡単なことなのです。
マインドフルネス状態になっているとき、私たちの頭の中には、自分をかき乱す悩みや雑念が一切なくなります。歩くなら歩く、筋トレするなら筋トレをする、歯をみがくなら歯をみがくといった具合に、目の前のことに“全集中”の状態になっています。この状態になると、人はとても心が安定し、満たされるのです。
自分が必要なときにいつでも「マインドフルネス状態」になれる人は、ストレス耐性が高いということがわかっています。また、感情のコントロール力が高まり、自己肯定感が見違えるように高まることも報告されています。
グーグル、アップル、ヤフー、メルカリ、メタ(旧フェイスブック)、インテルなど、誰もが知る大手企業でも社員のパフォーマンスを高めるために取り入れられています。結果、企業の業績も高まっているのです。それくらい、マインドフルネスの効果は絶大です。
「天職=マインドフルネス状態になりやすい仕事」です。天職を見つけた人の1日はあっという間なので、遅くまで仕事をしてもエネルギーで満ちあふれています。もちろん、あまりに仕事に没頭し過ぎて、休息を忘れて体調を崩す人もいますから(私もたまにそうなります)、適度な休息が必須なのは言うまでもありません。
「没入感」と「充足感」は不可欠な要素
さて、マインドフルネスについて簡単に説明してきましたが、一例として「ウエディングプランナー」という職業が天職だった場合について考えてみましょう。
ウエディングプランナーは、新郎新婦の要望を聞いて、満足度の高い結婚式をプロデュースする仕事です。ウエディングプランナーであれば、たとえば次のような場面で、没入感や充足感を得られることが多いのではないでしょうか。
・「没入感」を感じるとき
新郎新婦をはじめ、結婚式に参加するゲストも感動するような演出のアイデアを考えているとき
・「充足感」を感じるとき
新郎新婦、ご家族、ゲストが心から感動し、「一生の思い出」になるような結婚式をプロデュースできたとき
これらはあくまで一例ですが、天職には必ず「没入感」や「充足感」が感じられる場面があります。もしも、充実感や、やりがいを感じる場面がほとんどなく、「つまらない」「早く定時になってほしい」などと感じることが多いのであれば、それは天職ではありません。