俗語、卑語の使用頻度に注目

偽りの笑顔や、身ぶり手ぶりの大きさなどは、本人が意識すれば特徴を消すことができる可能性があります。しかし、言葉遣いに関しては相当に訓練しないと矯正できません。ですから、ここに一番注目すれば、サイコパスかどうかを見抜けるのではないかと個人的には思います。

素行の悪い人たちにしかわからないような俗語や卑語、隠語のようなものを使ったり、「なんだか言葉が汚いな」と感じたりするようなら、相手がどんなに素敵な笑顔を見せていても、すぐに心を許してはいけません。

その笑顔の裏には、こちらをいいように振り回したいという下心が隠されているかもしれませんから。

テクノロジーの発展によって、私たちは世界中の人たちと簡単につながれるようになりました。遠く離れた友人や家族と、いつでも好きなときにやりとりができるのですから、非常に便利です。

サイコパスもテクノロジーの発展は大歓迎でしょう。

ただし、その理由は連絡がしやすくなったからではありません。

サイコパスは性格的にサディスティックであるため、いつでもイジメの対象となる人を探しており、その「獲物」をインターネットで簡単に見つけられるようになったからです。

インターネットがなかった時代、サイコパスは身近なところで獲物を探すしかありませんでした。同じクラスの人たちや同じ職場で働く人たちが、彼らにとっては都合のいいターゲットだったはずです。

もちろん、今でもサイコパスは、職場で部下に膨大な量の仕事を与えたり、指導や教育と称してパワーハラスメントをしたりしていることでしょう。ですが、インターネットの出現によって、もっと手軽に「獲物」を見つけられるようになりました。

匿名性が高くなると、だれもが多少はサイコパスになる

カナダにあるマニトバ大学のエリン・バッケルスは、サイコパス度の高い人ほど、ネットで中傷や悪口を書き込む傾向があることを見出しています。

サイコパスは、ネガティブなレビューや、ネガティブなコメントが大好き。「どこかにいい獲物はいないかな?」と絶えず探していて、手ごろな対象を見つけると、ひどい言葉で責めたてます。

特定の人物、あるいは商品やサービスに対して、徹底的にこき下ろすコメントをしているなら、そしてそういう行為に喜びを感じているのなら、その人はサイコパスの可能性が高いでしょう。

「そこまでひどく言わなくても……」と思うほど、サイコパスは手心を加えません。

匿名性が高くなると、だれしも言いたい放題になりがちです。インターネットの世界では、コメントをする人は匿名性が確保されており、心おきなく中傷したり悪口を書き込んだりできるものです。

暗い部屋でネットサーフィンをする人
写真=iStock.com/Wirestock
※写真はイメージです

その意味では、匿名性が確保されている状況では、だれもが多少はサイコパスになってしまうと言えます。とはいえ、本物のサイコパスは、その度合いがより強烈で激しい点で区別できるでしょう。

ネガティブな書き込みが大好きで、人をイジメることが大好きな人ほど、サイコパス気質を持っていると言えます。そういう人にはあまり近づかないほうが無難です。

そういう人と仲良くなってしまうと、表面的にはニコニコとお付き合いできていても、陰でどんなにひどいことを書かれるか、わかったものではありませんから。