日本では考えられない超巨大モールが中国にはある

中国の都市には、日本最大のイオンモール「越谷レイクタウン」クラスの巨大市場や住宅団地が多数ある。その中は公道ではないので走ることができるのだ。

筆者自身が走るスーツケースを見たことがある場所は、空港や団地内の敷地、それに全部の店を見るのに数日はかかるであろう屋内型の卸売市場だ。

まず自走するとはいえスーツケースなのだから空港で使えないと本末転倒で、中国だけでなく日本の空港でも歩くのが億劫おっくうそうな子供や若い女性がよく乗っている。中国の空港や鉄道駅は広い。周囲の利用者が少なければ十分走れるほどのスペースもある。

中国の空港ではスタッフや警備員もパーソナルトランスポーターを使用している
筆者撮影
中国の空港ではスタッフや警備員もパーソナルトランスポーターを使用している

中国の卸売市場は前述した通り、まともに歩いていては日が暮れるほど大きい。商品を運ぶ業者は素早い移動が必要となるのはもちろんのこと、観光などの物見遊山や買い物客ですら素早い移動手段があると嬉しいもの。そこで一部の人々は電動スーツケースや一輪車型の「電動独輪車」、スケボー型の「電動平衡車」と呼ばれるパーソナルトランスポーター、果ては電動自転車やシェアサイクルを利用し敷地内を高速移動する。

巨大卸売市場を自転車が走り抜ける
筆者撮影
巨大卸売市場を自転車が走り抜ける
中国の卸売市場にて。遊んでいるわけではなく真面目に移動に使っているのだ
筆者撮影
中国の卸売市場にて。遊んでいるわけではなく真面目に移動に使っているのだ

卸売市場というと魚市場や青果市場のような地続きの建物を想像する人もいるだろうが、中国では複数階に販売フロアがあるのが一般的で、2階以上のフロアだろうと乗り物が通路を爆走する。

ショッピングモールや団地の私道を爆走

ぎっしりと商品が詰まった店が延々と並ぶ通路をこうした乗り物に乗った業者が荷物を載せた台車とともに高速移動するのだから、想像の範疇を超えていてカオスが過ぎる。筆者はぶつかったことはないが、衝突してもおかしくないくらいに狭い通路を高速移動するし、建物の十字路内も止まらず走り抜ける。日本の感覚ではかなり危険な走行といってよく、建物内で交通事故があってもおかしくはない。

中国には各都市に巨大なタワマン団地が無数にあり、団地内の私道で電動スーツケースに乗って走る人もいる。かくいう筆者もパーソナルトランスポーターを購入し、タワマンの敷地内の道路で住民不在時に思う存分練習したことがある。筆者自身運動神経はよくはないがすぐに思い通りに楽しく乗れるようになった。

中国は変わった乗り物で遊べる私道が充実している
筆者撮影
中国は変わった乗り物で遊べる私道が充実している

塀に囲まれたタワマンが林立する団地内の内周をぐるりとまわると、1周に10分以上かかることは珍しくない。多数の私道が入り組んでいるので、道によっては住民があまり歩いておらず、新しく珍妙な乗り物や移動物体を思う存分楽しむことができよう。