「不得意なこと」を我慢して続けても成果は上がらない

ビジネスをしている人は、人生の多くの時間を仕事に費やしています。その時間で「やりたくないこと」や「不得意なこと」を我慢しながら続けるのか、それとも「好き」で「得意」なことに専念するかでは大きな違いが生まれます。

「やりたくないこと」や「不得意なこと」をやり続けるのは、モチベーションだけでなく生産性という点からも、効率も効果も低いと言わざるを得ません。効率よく成果を出すためには、恐れずに他の人に仕事を任せることが不可欠です。

実際には、人に仕事を任せるには「勇気」を必要とします。特に自分がそれまでやってきたことを任せるのは、多くの人にとって難しいことです。しかし、効率よく成果を出すためには、自身の能力や経験に固執するのではなく、チームメンバーへの信頼と協力の精神を持つことが不可欠です。信頼できるチームメンバーや専門家に仕事を委ねることで、組織全体のパフォーマンスが向上し、成果が飛躍的にアップする可能性を生み出すのです。

私もかつて、プロジェクトリーダーをしていた時に、部下に任せることができずに失敗してしまったことがあります。自分が考えたやり方どおりにプロジェクトを進めるべく、チームメンバーが提案したアイデアや方法をことごとく却下し、私が考えたやり方やスケジュールどおりに進んでいるかを確認するために、逐次報告することを求めたのです。

「不得意」が半分以上あれば、仕事を見直したほうがいい

その結果、プロジェクトはスケジュールどおりに完了したものの、チームメンバーの士気は下がり、主体性やクリエイティブな発想がまったくなくなってしまいました。さらに、私も管理に多くの時間やエネルギーを費やしていました。今振り返ると、ひどいリーダーだったと深く反省しています。

大きな目標を達成すべくプロジェクトの成功確率を高めるには、自身がすべての業務を担当したり、細かく管理したりするのではなく、信頼するチームメンバーや専門家に仕事を任せることが重要です。

あなたが普段している仕事の中で、「やりたくないこと」や「不得意なこと」の割合はどのくらいでしょうか? もしそれらが半分以上を占めていたら、仕事の内容を見直したほうが良いでしょう。

例えば、私が自分でやり続けていた販売データの集計は、得意な仕事でも好きな仕事でもありませんでした。そのため、この仕事をすると疲れてしまい、エネルギーの高い状態で続けていくことができません。