目標を紙に書いて部屋に貼るのは理に適っている

さらに、目標を叶えたい人にオススメの方法があります。

それは、「目標を紙に書いて、部屋に貼ること」。

みなさんは、「絶対合格!」などと目標を紙に書いたりするでしょうか?

ドラマや漫画などで、そんな目標を書いた紙を部屋に貼り、はちまきを巻いて勉強に集中する受験生――みたいな描写を見たことがある方は多いと思います。

とはいえ、少々レトロな印象があることは否めません。そもそも若い読者は、ピンと来ない光景かもしれませんね。

ただ、そんなアナログな取り組みも、決して捨てたものではないのです。

実は科学的に運気を上げる方法だったりします。

ドミニカン大学カリフォルニア校のゲイル・マシューズは、アメリカ・ベルギー・英国・インド・オーストラリア・日本からさまざまな業種の被験者を集め、目標を設定し、達成に向けて努力するグループをつくりました。

各グループの目標の中身は被験者にお任せで、マシューズは目標の扱い方を、次の五つに分けて指示しました。

A 目標を書かない(ただ思い浮かべるだけ)
B 目標を書く
C 目標と行動の約束を書く
D 友人宛てに目標と行動の約束を書く
E 友人宛てに目標と行動の約束を書き、進捗記録を毎週報告する

すると、この5グループの目標達成率は、グループAと比較して、Bが約1.2倍、Cが約1.4倍、Dが約1.5倍、Eが約1.8倍という驚きの結果が出ました。

周囲に公言することで自分を追い込める

マシューズの同様の研究でも、目標とやるべきことを書き、それを友人に話すと19%、進捗を友人に毎週報告することで33%も成就率が上がる結果が出ています。

「海賊王に俺はなる!」とただ心の中で思ってなれないのと、周囲の人に公言してなれないのとでは、後者のほうが確実に恥をかく羽目になります。

人はできるだけ恥ずかしい思いは避けたいものですから、目標を公言すると「達成できない場合は恥ずかしい」という気持ちを生み、「達成するためには頑張るしかない」と具体的な行動に繫げる効果が期待できるわけです。

このような宣言の効果(心理学者のクルト・レビンが提唱した「パブリック・コミットメント」と言います)を裏づける研究は、他にも数多くあります。