※本稿は、中谷一郎『中間管理職無理ゲー完全攻略法』(CCCメディアハウス)の一部を再編集したものです。
部下の「ちょっといいですか」で仕事が捗らない
【無理ゲー】
部下からの「ちょっといいですか」に阻まれて、作業への集中力が細切れに削がれてしまう
自分の作業に集中したいのに、電話がかかってきたり、質問や相談で話しかけられて中断せざるを得なくなったり。まとまった時間を確保して、集中して作業に取り組むことができず、なかなか仕事が捗らない。
【攻略法】
▶️自分の時間を防衛する:「集中タイム」を公言する
自分で作業に充てる時間を確保するだけでなく、「今から30分間、集中タイムに入ります」と部署のみんなに公言することで、話しかけたり電話をつないだりしないように協力してもらうことも一つの手です。
▶️物理的に外部を遮断する:「集中スペース」を設ける
フリーアドレスのオフィスなどによく見られますが、壁や衝立に囲まれた一人用のデスクがあると、物理的に話しかけにくくなるため有用です。もしそれがない場合は、「このスペースにいる人の邪魔は絶対にしてはいけない」という「集中スペース」を定めましょう。
短期記憶では15秒経つと90%の記憶が失われる
自分の仕事に集中している最中、「ちょっとお時間いいですか?」と部下から話しかけられる。これは、管理職なら必ず経験することです。ただ困るのは、その「ちょっと」が5分なのか、10分なのか、30分なのか、わからないこと。そして、その「ちょっと」の時間によるロスは、大抵ちょっとでは済まないことです。
しかしこれは、部下からしてみたら、目の前のことがうまくいかなかったり、次のアクションをするために確認をしなくてはいけなかったり、さまざまな事情があって話しかけているだけであって、悪いことでも何でもありません。むしろ、聞かないままでいたら、問題が雪だるま式に大きくなってしまう危険性もあるため、聞くこと自体はとても大事なアクションです。
ただ、話しかけられる側にとっては、作業を一度中断し、応答をしていると、一旦記憶がリセットされてしまうというデメリットもあります。
人間の短期記憶では、15秒経つと90%の記憶が失われると言われています。「ちょっといいですか?」と話しかけられて、仮に2分程度話したとします。その後、自分の仕事に戻ろうとしたら「あれ、何を調べようとしてたんだっけ?」と忘れてしまう。こんなご経験がある方も多いのではないでしょうか。