お金は不動産に向かってしまう
【エミン】日本の10年物国債の金利が0.85%まできていたということは、市場としては、これを“撤廃”しろと促していたということです。
そしてそういった施策を取らない限りは、日本円に対して、もしくは日本の資産に対しての売り圧力が強まってくるのです。
もう一つ、何が起きるかというと、ここでトルコが参考になります。私が先に「日本円のトルコリラ化」だと“揶揄”したことにつながります。
トルコもそうだったのですが、実質金利が大きくマイナスになっている国では結局、お金は“不動産”に向かってしまう。
つまり、それしか手立てがないほど、お金が“目減り”しているのです。
お金を持っている人たちは、そこをしっかり理解している。お金がひどく目減りしているフェーズでどうすればいいのかを。株を蹴っ飛ばして不動産を買うのですよ。
都内新築マンションが1億円を超えてきている
【大橋】そうすると、当然、不動産価格は上がってしまいます。
【エミン】そうです。いま、日本で不動産価格が、特に都内を筆頭に大都市部で高騰している原因はこれなんです。この現象が結局、何を起こすかというと、局地的な不動産バブルです。流れ的には良くありません。
最近の東京都内の不動産市場を見ていると、特別価値のあるロケーションでないところでも、マンションや戸建ての価格が1億円を優に超えてきています。
例えば港区、中央区、千代田区あたりのプライムロケーションの物件ではなく、これまで比較的安かった品川区、大田区、江東区などの物件のほとんどが、1億円超えを果たしています。
【大橋】驚きです。そこまで高くなっているのですね。