本来、ボーナスには手をつけないのが理想。もちろん会社によってボーナスの配分が高い会社とそうでない会社があるが、「ボーナスがどれくらい残るか」で、我々は家計の健全度を見ている。ボーナスの多くが残れば、子どもを連れて家族旅行もできる。旅行は「単なる娯楽だから=浪費」とは言い切れない。自分を豊かにするための「投資」にあたることもある。そんな旅行を、ぜひ家族で楽しんでほしいと思う。
Aさんは「いずれ2人目の子どもが欲しい」とも考えている。最近、相談にくる人の中にも「お金のことを考えると、2人目をつくってもいいのでしょうか」と聞いてくる人も少なくない。
先が見えにくい時代なので、そう思うのは無理はないだろう。
しかし、自分自身、娘を5人も持つ父親のひとりとして、「子どもが増えてもお金は何とかなる!」「何とかする!」くらいの気概を持ってほしいと思う。本当に子どもが欲しいと思えば、お金の使い方も変わってくるはずだ。
とりあえずAさんは、収入がなくなっても安心できる貯蓄の目安「収入の半年分」を貯めることを目標としよう。Aさんの手取り月収は約21万円だから、約126万円を目指してほしい。
一般に年収400万円から500万円の世帯は、生活が厳しいだけに夫も家事や育児に協力的。夫婦の会話も多く、円満な家庭が多い。Aさんも、このまま夫婦で協力し、ぜひ2人目の夢を実現させてほしい。
■固定費不感症
【症状】電車の中やちょっとした空き時間は、いつも携帯でゲームをしてしまい、普段会えない友人との通話やメールでちまちまとした通信費がかさむ。すすめられるままケーブルテレビにも加入。知らぬ間に積もって固定費と化す慢性病である。
【処方箋】毎日どのくらい使用しているかを把握、そんなに見ていないケーブルテレビや、たまにしか使わないネットなら解約すべし。有料の携帯ゲームは基本的に使わないルールに。
■「ボーナスがあるさ」症候群
【症状】月々の給料だけでは赤字だが、ボーナスで生活費を補てんして何とかしのいでいる。根拠なく、ボーナスとはずっと出るお金という思考から抜けられなくなる恐ろしい病。
【処方箋】ボーナスは、今後もずっと出るとはかぎらない。旅行や冠婚葬祭など、突発的な費用以外にはできるだけ使わないような習慣を身につける。最初からないものとして貯金するくらいの気持ちを持つと治癒する。ボーナス払いでの買い物などもってのほか。
1971年生まれ。FPとして司法書士事務所に勤務した後、2001年に独立。5200人以上の家計を再生した実績を持つ。著書『年収200万円からの貯金生活宣言』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がシリーズ37万部のベストセラーに。