良好な人間関係を築ける人は何をしているか。カウンセラーの藤本梨恵子さんは「自慢話を聞かされる側は無意識に『自分が劣っている』と感じ、居心地が悪くなる。それでもどうしても自慢をしたいときは、FC(フリー・チャイルド)という自由闊達な幼児性を高めて自慢すれば愛される。たとえば、関西の人がよくやる自慢で、笑顔でテンション高めに話されると、相手は思わず『かわいい人だな』と笑ってしまい疲れない」という――。

※本稿は、藤本梨恵子『なぜか惹かれる人の話し方 100の習慣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

スーパーキッド
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なぜ人はマウントをとるのか

「あの人は自慢話ばかりで聞いていると疲れる……」という話をよく耳にします。

なぜ人は、他人の自慢話を聞くのが苦手なのでしょうか?

狩猟採集時代、集団で狩りをするには上下関係による統率が必要でした。上位の者が命令し、下位の者が従うのです。

狩りでも軍隊でも、階級が下であるほど危険で取り分が少ない損な役割が回ってきます。だから、人は生き残るために上を目指そうとします。

自慢話は、「私はあなたより優れています」と話すようなものです。だから、聞かされる側は無意識に「自分が劣っている」と感じ、居心地が悪くなるのです。上位のほうが生き残るという本能があるからです。

「君って要領悪いね! 僕なら5分で終わるよ」とマウントをとる(=自慢話をして相手を見下す)人は、実は自分が底辺になるのを恐れるあまり、誰かを見下して安心したいのです。