3大欲求と心の中の3人の私
では、どんな人に対して、どのように3大欲求を満たすことを意識して話すのが効果的なのでしょうか?
相手のタイプを理解するためには、交流分析の「自我状態」を知ることが役立ちます。
自我状態は、思考・感情・行動のもとになっている心理状態で変化します。あなたの感情や振る舞いも、穏やかだったり、怒ったり、一定ではありませんよね?
次の「心の中の3人の私」のうち、現れる自我状態は状況によって変化します。
・P(親:ぺアレント)の自我状態……自己重要感が大切
親と同じように感じ、考え、行動する自分。しつけや教育から自分の中に取り入れた。「馬鹿者!」と叱ったり、批判・指示したり、「大丈夫」と励ましたり、賞賛します。どちらも親が子どもにするように上から下に向かって人に関わったり、行動したりするのが特徴です。
子どもは、「人には親切にしなくてはならない」「遅刻してはいけない」など10歳までに無意識に親の教えを良いことも悪いことも取り入れます。頭ごなしに叱る親が嫌だったのに、親そっくりに我が子を叱ってしまうことがあるのはそのためです。
・A(成人:アダルト)の自我状態……自己有能感が大切
事実に基づいて、冷静に理論的に判断し行動する状態。情報収集や計画を立て検証するときに必要。「今、ここで」に意識があり、気づきを得やすい。
熱いやかんに触ると火傷する、9時に出発しないと遅刻するなど、冷静な判断ができるようになるのは12歳頃だといわれます。
・C(子ども:チャイルド)の自我状態……自己好感が大切
幼い頃、教室で友達と騒いでいて、怖い先生がドアから入ってきた途端に急いで席について静かにした経験はありませんか?
大人になっても、優しい人の前でははしゃぎ、怖い人の前では大人しく振る舞うような子ども時代と同じような考え、感じ方、行動を取るのがC(子ども:チャイルド)の自我状態です。
どの自我状態をよく使っているかによって、その人の性格や対人パターンがわかります。