また会いたいと思われる人は何をしているか。カウンセラーの藤本梨恵子さんは「ビジネスや恋愛がうまくいくためには、あなたと会話する前よりした後のほうが相手の気分がよくなることが重要だ。そのためには、コーチング等のプロが使う3つの『積極的傾聴』が役に立つだろう」という――。

※本稿は、藤本梨恵子『なぜか惹かれる人の話し方 100の習慣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

オフィスの女性クライアントと財務計画について話し合うビジネスマン
写真=iStock.com/AJ_Watt
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あらゆる人々の関心事はいつも「自分自身」

会話で大切なのは「誰しも最大の関心事は自分自身である」という原則を忘れないことです。地球の裏側で大事件が起こっても、自分の虫歯の痛みのほうが気になるのです。

次の例は、噛み合わない会話の典型です。

娘「やっと退院できたけど、手術痕が痛くて、夜も眠れないの」
母「私、昨日から小指にササクレができちゃって、痛くって……」
娘「……」

2人の症状で重症度が高いのは娘のほうです。しかし、母親にとっては自分のササクレのほうが、よほど関心が高いのです。

もし母親から「大丈夫?」のひと言があれば、娘も共感されたと感じ、会話が続いたはずです。人には、他者から何かもらうとお返しをしたくなる「返報性の法則」があるからです。

世界的ベストセラー『人を動かす』の著者デール・カーネギーも「相手はあなたに持つ興味の100倍自分のことに興味を持っている」と言っています。

自分の話ばかりする人は、相手にまずい料理を出しているようなものです。

ここで、勘違いする人は「どんな相手にも対応できる話題を集めなくては!」と情報通を目指します。これは、相手好みの料理を作るために大量の食材を冷蔵庫にストックするようなものです。いざ振る舞うと、相手の口に合わないことも多いのです。