40代から居心地のいい住まいはどうすれば実現できるか。一級建築士の水越美枝子さんは「子どもたちが独立し、夫婦ふたりだけの暮らしがやってきたとき、家族のコミュニケーションのありかたは変わる。『つかず離れずの関係』を実現するダイニング・テーブル中心の住まいにするといい」という――。
※本稿は、水越美枝子『40代からの住まいリセット術』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
タイ生活で得た自宅設計の3つのポイント
バンコクから帰国後、私は友人とともに、住宅の設計を中心に手がける設計事務所を設立しました。
そして、その2年後に自宅の設計をすることになりました。
自分の家を設計するときには、自分なりの「居心地のよい住まい」を実現させるために、「働く主婦」という生活者としての目線と、タイで得た生活しやすい住まいのポイントをもとに、以下の3つをコンセプトに据えました。
①時間効率がよい家
②いつ、だれが来ても「大丈夫!」と言える家
③ダイニング・テーブルが中心となる住まい
②いつ、だれが来ても「大丈夫!」と言える家
③ダイニング・テーブルが中心となる住まい
●時間効率がよい家
共働きの家庭では、子どもが小さいころはとくに、時間に追われます。掃除や整理整頓に明け暮れているようでは、仕事と家事だけで手一杯。とても家族とじっくり向き合う時間などとれません。
私は、この問題を動線と収納の見直しで一気に解決して、時間効率のよい家を実現しようとしました。
いつも片付いていて家事効率がよい状態であれば、ゆとりも生まれるだろうと思ったのです。そして、「洗面所というリセット・ポイント」を中心に、設計することにしました。