なぜ箱根駅伝の選手は本番直前の12月に体調を崩すのか
体脂肪が少ないと体温が低くなりやすいと言われている。そうなると免疫細胞の働きも悪くなり、免疫力が下がって風邪などをひきやすくなってしまう人もいる。
箱根駅伝を目指す選手たちが12月にインフルエンザや胃腸炎などで体調を崩すことが多いのは、追い込みの練習で体脂肪が低下することが要因のひとつだと指摘されている。逆にいえば、少し体脂肪を蓄えていたほうが体調を崩しにくい。
もちろん、BMIの数値ばかりを重視するのは好ましくない。なぜなら健康に寄与する筋肉の量が多いとBMIの数値が高くなるからだ。逆にBMIでは「平均体重」でも、筋肉量が少ない人は注意が必要になるだろう。
筋肉量のピークは20代で、その後は徐々に減少していく。特に下半身は顕著だ。下半身の筋肉量が少なくなると、外出するのが億劫になる。そうなると、ますます筋肉量が低下してしまう。
悪循環に陥らないためにも、若いうちから“筋肉貯金”をして、運動習慣を持つことが大事だろう。ウォーキングよりもランニング。ランニングよりも筋トレ(スクワットやランジなど)のほうが下半身を効率的に鍛えることができる。
日本陸上競技連盟は2021年からアスリートの身長・体重については非公開とし、収集も控えることを基本方針としている。個人情報保護の観点もあるが、BMIの数値だけに注目が集まり、女性アスリートの過度なダイエットを防ごうという意味合いが強い。
体重やBMIの数値に惑わされず、どのようなカラダが健康なのか。この機に考えてみてはどうだろうか。