ストレスの対処法をたくさん持っているとストレスに強くなる

ストレスへの対処法(ストレスコーピング)としては、①ストレッサーとなっている状況や問題に働きかけ、直接解決を目指す問題焦点型、②悩みを打ち明けたり、日記に気持ちを表したりするなど不快な感情を軽減させる情動焦点型、③見方や視点を変える認知的再評価型、④自分だけで解決を図るのではなく、知人や仲間などに協力を仰ぐ社会的支援探索型、⑤体にアプローチすることでストレスを減らす身体型、⑥趣味などによってリフレッシュする気晴らし型があります(日本ストレスマネジメント学会「イライラのマネジメント ダイジェスト版」)。

これらを時と場合によって、うまく使い分け、対処法の選択肢をたくさん持てることがストレスに強い心と体づくりにつながります。

キャンプ場で朝日を眺めながら朝のコーヒーを飲む男性
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「脅威」より「挑戦」の気持ちが強くなれば自信を持てる

就職、復職、離職のような、起こりうる時期や状況が予測できるイベントに対しては、本来であれば、事前にそれぞれの状況に備えることがおすすめです。例えば、ご自身のキャリアプランと照らし合わせながら、新しい職場へ適応するために必要なことを時間軸と共に整理します。プライオリティを設定した時間管理や健康的なライフスタイルを維持するための計画を具体的に立てると良いでしょう。また事後であっても、理想像と現実のギャップを洗い出し、必要な対策を講じることでストレス軽減を図ることができるでしょう。そしてその際には、細かくギャップを洗い出すことで多角に問題を捉えることができると思います。

いずれにおいても、そのような場面においては自分ひとりで解決せず、周囲の人たちとのコミュニケーションを大切に、よりよい解決の糸口を見出すことが大切です。家族や信頼できる同僚のほか、離職時には、キャリアカウンセリングや離職手続きのサポートを、また就職や復職時には労務人事や産業医などからの支援も活用できると良いでしょう。

環境に変化がある時、不安な気持ちやネガティブな感情を持つことは自然なことです。素直に気持ちを受け入れて、感情をコントロールすることが大切です。環境の変化から起こりうる問題を正しく認識して、漠然とした不安から解放されましょう。心理学者のリチャード・ラザルスは、問題解決への自信には、問題を「脅威/挑戦」のどちらに捉えるかが影響すること、「脅威(恐怖、不安、怒りなどの否定的な情動によって特徴づけられる)」よりも、「挑戦(熱意、興奮、陽気などの肯定的な情動によって特徴づけられる)」が優位となれば自信を高くもてるとしています(Richard S. Lazarus, PhD (2006) . Stress and Emotion: A New Syntehsis: Springer Publishing Company )。ストレスの原因を挑戦と捉え、自信を持って問題解決に取り組めると良いですね。