日常生活でセロトニンを増やすことを意識
ストレス発散の方法は千差万別です。アウトドアで日光を浴びることを心地よく感じる方もいれば、ゲームに没頭することで、ストレスから解放される方もいるでしょう。自分なりの気分転換の方法を取り入れられると良いです。
ホルモンの観点からお話しすると、ストレスに関係のあるホルモンの一つにセロトニンがあります。セロトニンは精神的な活動に影響を与える働きがあり、セロトニンの増加が怒りや焦りなどのマイナスな感情を抑制すると言われています。下記を参考に、日常生活でもセロトニンを増やすことを意識されてみてください。
・食事から摂取する
セロトニンは脳内で生成されますが、生成するためには必須アミノ酸の一つであるトリプトファンが必要になります。トリプトファンは体内で作り出すことができないため、食事から摂取することが必要です。トリプトファンを多く含む牛肉、牛乳、ナッツ類を積極的に取りましょう。トマトジュースもお勧めです。
・運動で増やす
リズミカルな運動によって、セロトニンの分泌が促されます。ウォーキング、サイクリング、ダンスなどのリズム性のある運動をすることは効果的です。ガムを噛むこともリズミカルな咀嚼運動になります。
・日の光を浴びる
太陽光によって、脳内のセロトニン神経が活性化され、セロトニンの分泌が促されます。
従業員が健康的に過ごせる会社は離職率が低い
また組織のあり方としての観点からは、従業員が身体的・精神的に健康で過ごせる、かつ生産性向上を望める組織であることが大切です。長時間労働の是正やワークライフバランスへの取り組みは結果、離職率の改善につながります。離職率の全国平均が11.4%(2019年)のところ、健康経営に取り組む「健康経営優良法人」では5.4%にとどまっており、そのことはデータ的にも結論づけられています。(経済産業省「健康経営の推進について」2021年10月)
ご自身が転職や就職をされる場合のみならず、この時期にはチームメンバーが入れ替わるなど職場環境が変わられる方も多いでしょう。ストレスを感じやすいタイプの人には、真面目で完璧を求めるが故に不満を溜めやすい完璧主義タイプ、自分の思いのままに動かしたい傾向にあり、怒りの閾値が低いタイプ、はっきりと嫌だといえない従順な溜め込みタイプなどがあります。いろいろな考え方、性格を持った方が集まっているのが組織ですから、互いが精神的に健康で過ごせるような配慮がなされるべきです。