老後だからこそ保険を真剣に考えておく
健康保険があるからとりあえず安心と思っている人も少なくないでしょうが、大きな病気になり入院したりすると、意外なほどお金がかかる場合があります。
最も大きいのは、入院する部屋によってかかる差額ベッド代です。いわゆる個室料金ですが、二人部屋などでも室料がかかることもあります。
原則として、患者さんが自ら希望した場合に費用が発生し、医療機関側が治療上の必要があって個室に入ってもらった場合には、差額ベッド代を徴収することはできない決まりになっています。
とはいえ、他人の目を気にせずリラックスできるからと、個室を希望したくなる気持ちもわかります。
すると、だいたい1泊数千円から高いところでは1万数千円以上かかります。これは都心と地方の違い、病院の価格設定によって「ピンキリ」なのですが、1カ月以上などの長期の入院になれば、差額ベッド代だけで相当大きな自己負担額になるでしょう。
また、たとえば、がん治療のなかには健康保険の適用が認められていないものもあります。一例を挙げるなら、日本で未承認の抗がん剤治療や、免疫療法の一部などがそれに当たり、何百万円もの費用は個人負担になります。
保険料はケチケチ節約しないことが、いちばんの「節約」に
そうした突然の出費に備え、個別に医療保険やがん保険には入っておくほうがいいと思います。民間の保険会社だけでなく、郵便局や農協などでも医療保険やがん保険を取り扱っているはずです。
ほかに、何社もの保険を比較し、年齢、掛け金の予算などに合わせて最適な保険を紹介してくれる「ほけんの窓口」などの企業もあります。最近は高齢になっても加入できる保険も増えたので、一度、相談してみるのもいいでしょう。
医療関連でいうと、海外旅行に行くときには必ず、空港などで掛け捨ての傷害保険に入っておくこと。これは必須だと思います。なぜかといえば、海外の医療費は非常に高いからです。
よく「クレジットカードに海外旅行の傷害保険が付帯しているから、それで十分だろう」と思っている人がいます。カードの種類(ゴールド・一般など)によって保険金額も異なりますが、ほとんどの場合、カードの保険ではまったく足りません。
知り合いがスイスの氷河見物中に足をすべらせて骨折したのですが、1カ月の入院・治療で、ざっと500万円ほどかかったそうです。
保険料はケチケチ節約しないことが、いちばんの「節約」に通じると考えましょう。