長期運用だからこそ「信託報酬」の影響は大きい

また、新NISAをはじめた人は「オルカン」こと、全世界株に投資する商品を選ぶ方が多いですが、新NISAの「つみたて投資枠」で購入できる商品だけでも20本程度ラインナップされています。しかし、「全世界株式なら何でもOKでしょ」という選び方をしてしまうと、信託報酬の高い商品を選んでしまっている可能性があるので、注意したいところ。購入の際には、「全世界株」の商品一覧から信託報酬を見比べてください。長期で運用することになる投資信託の場合、信託報酬という名の“手数料”の影響は大きいです。商品を比較し、低コストのものを選ぶようにしましょう。

ただ、今はさまざまな金融機関が新NISAをビジネスチャンスと捉えて顧客争奪戦を繰り広げています。信託報酬についても引き下げ合戦のような様相を呈しているところもあり、「あそこのファンドが最安値だったから買ったのに、今日はこっちのファンドのほうが下がってる!」みたいなことがしょっちゅうあります。商品の比較はもちろん大切ですが、かといってあまり右往左往せず、「コレ!」と決めたらどっしり構えるのが、長続きの秘訣。神経質になりすぎず、何度も言いますが、「長期・積立・分散」をおさえてやっていきましょう。

証券取引所
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リスクを理解しつつ賢い資産形成を

政府がこのタイミングで少額投資非課税制度を拡充したのは、「自助」の意味合いが大きいでしょう。マイナス金利が解除され、賃上げの動きも高まる中ではありますが、物価上昇・実質賃金23カ月連続減少と、先行きはまだ不透明です。少子高齢化と社会保障の問題もあり、「現役時代からコツコツお金を増やして、将来に備えてください」というメッセージなのかな、と感じています。そんな中、私たちは“神改正”などという煽り文句に踊らされることなく、リスクを理解した上で、「長期・積立・分散」をベースにした賢い資産形成を進めていきたいですね。

(構成=小泉なつみ)
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