今年5月、国会事故調の委員会に参考人招致された勝俣恒久東京電力前会長を見て驚いた人は多かろう。謝罪が一応はあったものの、責任について問われると、「執行の責任は社長。原発の事象は発電所長」と他人事のような発言に終始した。
不祥事を起こした会社の記者会見で経営トップが深々と頭を下げるシーンをよく見かけるが、どうしてそれと対照的な振る舞いをしたのか。企業のコンプライアンスに詳しく、今回の原発事故で全農など生産・流通業者側の代理人を務める久保利英明弁護士は、勝俣前会長の胸のうちを次のように推察する。
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