メタボ対策・高血圧治療で進行を止められる

自分の脳に白質病変があり、増加傾向があれば、車の運転は控えるでしょうし、仮に運転したとしても、交差点ではとくに慎重になるでしょう。

それだけ、白質病変が運転に及ぼす影響は大きいのです。

ただし、白質病変があったとしても、禁煙や運動などメタボ対策・高血圧治療でその進行を止めることができます。

おなかの肉をつまむ人
写真=iStock.com/kuppa_rock
メタボ対策・高血圧治療で進行を止められる(※写真はイメージです)

白質病変内の毛細血管や神経線維は可塑性が高い組織なので、白質病変と安全運転能力低下は不確定なことがあり、最近の知見では、白質病変のみならず脳萎縮も考慮すべきだと考えられるのです(これを説明しているのは⑤と⑥)。

できれば脳ドックを受けたほうがいい

脳萎縮や白質病変発生の有無は、脳ドックを受診し、頭部MRIを撮ることによってわかります。

それこそ、私が主宰する脳ドックに来ていただければ、脳の状態を瞬時に詳しく診断できます。

しかしそれは、物理的にも、時間的にも、金銭的にも、即座に実行しづらいことは承知しています。お住まいの地域にある脳ドックを受けるにしても、気軽に「じゃあ明日行ってこよう」というわけにはいきません。

ちょっと、ハードルが高いですよね。

できれば脳ドックを受けていただきたいのですが、受けなくても、脳が萎縮していたり、白質病変ができていたりする公算が大きいということは、ある程度予測できます。