「ブレーキを踏め」が「アクセルを踏め」に置き換わってしまう
例えば、脳が「ブレーキを踏め」という指令を出したとしても、ネットワークが壊れているためにうまく伝わらず、いつの間にか「アクセルを踏め」に置き換わってしまうケースもあるということ。
あくまで推測の域を出ませんが、池袋の事故の加害者がそうだった可能性は否定できません。
交差点の事故率が3.4倍になる
白質病変が自動車の運転に及ぼす影響や、関連性が認められている事例はまだまだあります。すでに論文として発表されているものをいくつか紹介しましょう(図表2)。
いずれもとても大切であり、重要なのですが、とりわけ強調しておきたいのは、①になります。
白質病変のある高齢ドライバーは、交差点で事故を起こしやすいのです。
あくまでも脳ドックを受けた健常中高齢者を対象にすれば、白質病変が左右にあると全体の事故率が1.6倍、交差点ではなんと3.4倍になるという研究結果が得られています。