一方のみからの評価に意味はない

日本の輸出産業は、とうぜん円安によって潤う。またインバウンド需要においても、円安は追い風となる。日本円の安さは、外国人観光客にとって大きな魅力であることは間違いない。

橋下徹『情報強者のイロハ 差をつける、情報の集め方&使い方』(徳間書店)
橋下徹『情報強者のイロハ 差をつける、情報の集め方&使い方』(徳間書店)

もっとも「安い日本」というフレーズは、かつて経済大国の威光に浴した世代にとって喪失感をともなうものだ。でもこの円安の機会にたくさん訪れる外国人客に日本の良さを味わってもらえば、母国に帰ってからも日本製品や日本文化・食などを好み、消費してくれるかもしれない。そして友人や家族をともない、再訪してくれるかもしれない。その経済効果ははかり知れないだろう。

そうした観点で見れば、必ずしも円安は悪いことではない。

かたや日本は、食料、肥料、エネルギーなどの各資源を海外に大きく依存してきた。そこに光を当てると、円安は家計や経済に大きな打撃を与えることになる。食料品の値段も、真冬の灯油代も、真夏のエアコン代もますます高騰していくおそれがある。

企業も原材料費が重くのしかかれば、どんどん利益は減っていく。であれば、「円安=悪」となるだろう。

あらゆる物事にいえることだが、ある一面のみから評価をくだしても意味はない。それは幾多もある「意見」「見解」のうちの1つにすぎない。だからこそ「情報」に多面的な光を当てることが大切なのだと、あらためて強調しておきたい。

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