SNSで「ワクチンに懐疑的な態度」を掲げるアカウントにはどんな共通点があるのか。東京大学大学院の鳥海不二夫教授は「2021年1月から12月までの1億件のツイート(当時)を分析したところ、コロナ禍以前からワクチン懐疑派だったアカウントはれいわ新選組や共産党と親和性が高く、コロナ禍以降にワクチン懐疑派になったアカウントは参政党の支持者が多かった」という。ジャーナリストの末並俊司さんが聞いた――。
スマホでSNSを使用している人の手元
写真=iStock.com/oatawa
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約1億件のツイートを収集し、ワクチン懐疑派を分析

コロナ禍でワクチン反対派になった人は、陰謀論や自然派、スピリチュアルな世界観に傾倒している傾向がある――。東京大学大学院工学系研究科の鳥海不二夫教授らの研究グループは、ツイッター(現X)を分析し、そうした結論を導き出した。分析の対象となったのは、2021年1月から12月までの「ワクチン」という単語を含む約1億件のツイートだ。

「ワクチンに懐疑的な考え方を持つ人たちについての研究はありましたが、“人はなぜワクチン懐疑派になるのか”という分析については、これまでありませんでした。今回の私たちの研究はそこにメスを入れたものとして、意義があると考えています」(鳥海教授)

2020年から、新型コロナウイルスによるパンデミックのために、私たちの生活は著しく制限され、ストレスによるさまざまな問題が国中を覆った。世界規模で多くの死者を出すコロナの猛威に、人類は震え上がった。世界はワクチンの開発を待ち望んだ。

アメリカの大手製薬会社ファイザー社がいち早くコロナワクチンを完成させ、2021年1月から、日本でも接種が始まった。テレビや新聞雑誌など、ワクチンを話題にするニュースが急増した。ちまたでもワクチンに関する言説が飛び交い、なかには怪しげな情報も散見された。

「もともと私は、ツイッター上のさまざまな話題や炎上の過程、フェイクニュースなどの研究を行っていました。コロナ禍においてはワクチン政策が非常に話題になっていたので、2020年の中ごろから、ツイッター上でのコロナに関する分析は行っていました」

そうしたなかで感じたのが、ワクチンに対して懐疑的なツイートをする人たちのことだった。

「どういったきっかけで懐疑的な考えを持つようになるのか、そもそもどういう人たちなのか、ツイートを分析することで見えてくるのではないかと感じたのです」