雑談の基本は「相手が知っている話題」

雑談の話題は何が適しているのでしょうか?

パッと思いつくのは旬の話題や芸能人のゴシップ話などですが、相手によっては使いづらいこともありますよね。

ふだんからそのような話をしている仲ならいいのですが、初対面の相手や目上の人、仕事関係の人などには適さない話題です。とはいえ、相手に合わせた話題を多数ストックしておくのは難しいですし、もともと興味のないことだとしたら、調べたり覚えたりするのも苦労します。私もそんなことはおススメしません。

話題の選び方のコツは、自分ではなく相手が話しやすい話題を探すことです。

もっと言うと、相手の興味・関心が高い話題ほど有効になります。

逆の立場で考えてみてください。

あなたが全然知らないうえに興味もない話題をもち出されて、相手が楽しそうにしゃべっているのをただ聞いているだけの状態ってどうでしょう? 苦痛ですよね。

そして、そんな話ばかりしてくる相手に対して、あまりいい印象はもたないことでしょう。

その意味でも、少なくとも「相手が知っている話題を選ぶ」のが雑談の基本です。

ただ、ここで1つ疑問が浮かぶかもしれません。

それは、相手のことをよく知らない場合は、相手が知っている話題などわかるはずがないというもの。当然です。人の頭の中など見えるはずがありませんからね。

そこで私の結論は、「相手の身近なものを話題にする」というものです。

身近なものなら知っている可能性が高いので、それを話題にすれば話してくれる可能性も高くなるというわけです。そうすれば、少なくともこちらだけがしゃべって相手が黙っているという状態は避けられます。次項で具体的に見ていきましょう。

大切な案件ほど、最初の雑談が重要

営業や打ち合わせなど、仕事で相手先に訪問するときがあります。

それが大切な案件であるほど、最初の雑談は重要です。

ここで好印象を与えることができたら仕事の話もスムーズにいくことでしょう。

ビジネスミーティングで文書を提示するビジネスマン
写真=iStock.com/maroke
※写真はイメージです

では、そのためにはどんな話題が適しているのか?

次の例を見ながら、一緒に考えてください。

大事な打ち合わせをするために、相手の会社に向かっています。

まだ訪れたことのない駅で降りて、初めて通る道を歩いています。

頭の中は、これからの面談のことでいっぱいです。

相手の会社に近づくほどに緊張も増してきます。

どうですか? こんなシーンを想像するだけで不安な気持ちになってきませんか?

このまま面談に突入してしまったら、たいていはうまくいきません。