円高要因は“為替介入”ぐらいしかない

為替は「国力を反映する」のが大原則だ。国力の弱い国から強い国にお金は流れる。景気がいい国は金利も高く、株価も上昇する。投資対象物がいくらでもあるからだ。その観点からすると40年間、世界ダントツのビリ成長を続けてきた日本の通貨・円が弱くなっていくのは当然だ。

しかし、それは平時の話で、中央銀行の信用が前提となる。世界ダントツのビリ成長を続ける日本の中央銀行の財務が、これまた世界最悪ときているのだから円の価値毀損きそんは不可避だと思っている。

加えて本稿に書いた通り、他国の中央銀行はばらまかれたお金の回収を始めているのに対し、日銀はバラマキ続けているのだ。円がトレンドとして強くなる要因はほとんど見当たらない。日米金利差などという枝葉の理由だけの円安ではない。

そうなると、ほんの一時的とは言え、円高要因は政府による為替介入くらいしかない。そこで為替介入が効くかどうかの私見を最後に述べておきたい。

資本主義社会では為替介入はルール違反である。それゆえ市場では、ダーティーフロートとか、近隣窮乏化政策というネガティブな言葉で表現されている。さらに、他国に不利益をもたらす恐れがあるから自国の都合だけでは行えない。

米国は今年選挙の年だ。インフレ再燃は政権にとって最も回避したい経済事象だ。インフレが再燃すればバイデン大統領の再選は困難になろう。ドル安(=円高)は米国の強いインフレ要因だ。したがって、米国はそう簡単にはドル売り介入を許可しないと思われる。円安加速防止ならまだしも、ドルの押し下げ介入など許すはずがない。2年前とは事情が違う。

避けられない「X デイ」の先に日本の大復活がある

こう考えると、従来から主張している通り、日本円が大暴落するX デイは不可避だと思う。ドル資産を買って保険とし、苦しい時期を乗り越える準備が不可避だ。

しかし日本人は頭もよく、礼儀正しく、勤勉な国民だ。厳しい時代に、社会主義体制を真の資本主義体制に改革できるならば必ずや日本は大回復する。将来を悲観することは無い。

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