「決断苦手企業」ではひとりで悩んでいる

続いては、「決断苦手企業」の意思決定プロセスを、さきほどと同じ設定・登場人物で見てみましょう。

【ステップ1】関係者の根回し・意見のアウトプット&フィードバック

定例会議まであと1週間に迫っていますが、こちらのAさんは誰に相談することもありません。ひとりで「次の会議で発表か……反対されたらどうしよう」と悩んでいます。

反対のBさん、中立のCさん、そして社長も会議まで概要がわからないので、それぞれで勝手に想像して悩んでいます。

会議で初めて説明を受けるということは、その場で1からそのプロジェクトについて考えなければなりません。賛成・反対以前にそれぞれが正しい理解をできるのかが心配です。

不安を感じているビジネスマン
写真=iStock.com/recep-bg
「決断苦手企業」ではひとりで悩んでいる(※写真はイメージです)

言っていることが半分も理解できない

【ステップ2】会議でのディスカッションと決断

会議の日となりAさんはプロジェクトについて発表するも、他の人の意見を反映した資料はありません。

「想い」も「根拠」も乏しいので聞き手のリアクションも薄く、話している当人も不安になってきました。

Cさんは本来なら賛成ですが、自分の考えを整理するのに精一杯で、賛成意見をアウトプットする余裕はありません。

違う意見を持っているBさんは、それを表明するための準備を頭の中で始めており、Aさんの言っていることは半分も理解できない様子です。