「冷たい対応でキツかった」のに内定が出る

実際、私はキャンディデイトの皆さんに、面接後の感想や印象をレポートにしてもらっていますが、これを採否の結果と照らし合わせると、「冷たい対応でキツかった」のに内定が出たり、「良好な反応だった」にもかかわらず残念な結果になったり、というケースに出会うのは珍しくありません。

もちろん、とてもいい印象そのままに内定獲得という例もあり、一概には言えませんが、その場の印象だけで一喜一憂するのはあまり意味がないということだけは確かです。

圧迫面接、恐るるに足らずの気持ちを持って、過剰な緊張に囚われないようにしてください。

見た目の印象が55%

志望者と面接官が直接、向き合ってのやりとりをする面接では、言葉以外の要素が皆さんの想像以上に大きなウェイトを占めています。

コミュニケーションに関する心理学に「メラビアンの法則」という理論があるのを、聞いたことがあるでしょうか?

これは今から50年ほど前に、アメリカのアルバート・メラビアンが検証、発表したもので、「人間の印象は、言語による情報が7%、聴覚による情報が38%、視覚による情報が55%という比率で影響を受ける」という法則性を示しています。

スーツのネクタイを締めるヒゲの生えたビジネスマン
写真=iStock.com/PeopleImages
見た目の印象が55%(※写真はイメージです)

すなわち、人と人が対面のコミュニケーションをする際は、話す言葉の内容や意味よりも、声の質・大きさ・口調や速さ、あるいは口ぐせなどが大きなウェイトを占め、見た目や姿勢、しぐさ、表情などがそれ以上に重要だというのです。

コミュニケーションと言えば、話す内容(言語情報)が最も大切という常識とは逆に、実際にはそれ以外の聴覚や視覚による部分(非言語情報)の影響が大きいというわけで、面接の場面などはその典型的なシチュエーションだと言えるでしょう。