日本人はなぜ英語が苦手なのか。英会話講師で『カタカナ英会話』(Gakken)を書いた甲斐ナオミさんは「日本人は学校教育と和製英語の存在によって、誤った発音や英語ではない単語をインプットしてしまっている。そうした英語はすべて忘れたほうがいい」という――。
教師と生徒
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英語が苦手な人を育てている日本の学校教育

ほとんどの日本人は少なくとも6年間は学校で英語を勉強します。なのに、なぜか英語が話せないまま、好きな海外ドラマもさっぱり聞き取れず、英語に対する強い苦手意識を持ってしまっている人も少なくないです。

そのひとつの理由としては前回の記事でご紹介しましたように、英語ネイティブは音同士をつなげたり、発音しなくても相手が理解できる音ははしょったりしてしゃべるからです。日本人は学校で「つながり」や「はしょり」をきちんと学んでいないので、自分が想像している英語とネイティブの英語とのギャップが大きすぎて話しても伝わらない、聞き取れないという現象が起きます。

ですので、英語がしゃべれるようになるためには、ネイティブの英語が聞き取れるようになる必要があり、それには1回目の記事で紹介したように、ネイティブが実施している「つながり」や「はしょり」を理解して慣れる必要があります。

学校の英語教師のほとんどがこうしたネイティブの発音ルールを理解せずに教育をしています。そのため、まじめな生徒ほど、誤った発音をインプットして、英語が苦手になるという悲劇が起きてしまいます。私が教えていたインターに通ったこともある女子高生は、ネイティブに近い発音ができる子だったため、逆に日本人の先生の英語が聞き取れず、リスニングが苦手(?)でした。

誤った発音を覚えることはテストの点数稼ぎにはなりますが、コミュニケーションツールとして英語を使いたいのであれば、致命的です。学校で習った英語の発音は忘れて、ネイティブの発音を学び直す必要があります。