コスパを重視する人は45.2%にも上る

消費者庁の調査(2022年)において「費用対効果(コストパフォーマンス:コスパ)を重視する」に「当てはまる」(「とても当てはまる」または「ある程度当てはまる」の計)と回答した人の割合は、全体で45.2%となり、「当てはまらない」(「ほとんど・まったく当てはまらない」または「あまり当てはまらない」の計)18.1%を大きく上回る傾向が見られました。

年代別に見ると、コスパを重視する世代は20代と30代がともに65.0%と最も高く、以下、「10代」(58.3%)、「40代」(54.7%)が続きます。50代以降になると、コスパを重視する比率が半数を切り、60代では35.1%、70代では25.8%と低下していきます。

この結果から、年齢層が高くなるほど収入面にも余裕が出てくることから、コスパをそれほど重視しない傾向が示唆されました。

「不満があってサブスクの利用をやめた経験の有無」を聞いたアンケート結果において、サブスクの離脱理由に「経済的な余裕がなくなった」が女性の回答の上位にありました。

なぜSHEINは若者に支持されるのか

日本経済新聞社が20代から60代の男女1000人に行なった調査で少子化が進む理由を問うと、最も多かった回答は「家計に余裕がない」の74.5%でした。「現役世代への家計支援が不足」「日本の将来への不安」も3割を超えました(日本経済新聞、2022年11月22日朝刊)。

今、20代30代の若者を中心に国民の将来不安は尽きません。コロナ禍で停滞した経済活動による景気後退に加え、足元では物価高や光熱費の高騰などで生活への負担が一段と増しています。

また、日本における育休取得率(2022年)は、男性が17.1%で過去最高になりましたが、女性の80.2%に比べ依然低い割合です(厚生労働省「令和4年度雇用均等基本調査」)。女性への過度な育児負担はいまだ大きな課題であり、早急な見直しが必要であることが顕著にわかります。

将来への不安や、不安につながる経済的リスクへの意識がいまだ日本社会には根強く、サブスクやデジタルサービスを「不満や嫌いでやめる」のではなく、「消極的理由」で断捨離していく消費者の存在が浮かんできます。

冒頭でも紹介したSHEINでは、徹底的にコスパを追求し、数百円から1000円台、高くても3000円台程度の価格帯の洋服からアクセサリーを豊富に品揃えしたうえ、毎日、膨大な数の新製品がアプリで更新されていきます。

さらに、顧客の探索コストを抑えるために、検索や絞り込み機能が充実し、強力なレコメンド機能やユーザーのUGCを充実させるなど、現代の若者の価値観に合致したビジネスを展開しています。