業績の約3割は「組織風土」で説明できる
【真衣】ひらた~く言えば、儲かる企業とそうでない企業との間にどういう違いがあるかを分析して、業績創出のカギとなる要素を、網羅的かつだぶりなく検討するための枠組み。
【ダイ】なにがその企業の「競争優位」になるか、って言ってもいいかもね。
【真衣】そうそう。では、ここで質問です。このような経営資源のうち、最も業績への影響度が高いため、業績創出に向けて最も注力すべきとされるものがあります。それはなんでしょうか?
【マル】うーん、「ビジョン」ってお兄ちゃん言ったよね? やっぱ、そういう一丸となる気持ちが大前提で大切なんじゃない?
【ダイ】最も? どれも大事だと理解してきたから一つを選ぶのは難しいな。でも、さっきのフレームワークって戦略コンサルが提唱してたはずだから、「戦略」に一票!
【真衣】ブッブー。お二人とも残念。というか、今の質問、「最も業績に影響する経営資源」を調べたのは、人材開発系のコンサルティング会社最大手、ヘイグループ(※)なんです。ごめんあそばせ。
※2015年にコーン・フェリーと合併し、現在はコーン・フェリー・ジャパン。合併後の社名だと主要事業をミスリードする可能性があるため、以下ヘイグループという旧社名のまま使う
【ダイ】なんだよ、提唱者を先に言ってよ。
【マル】人材開発業界の巨人が言いだすってことは、影響度が高いのは「人材」なんじゃない?
【真衣】それもブブー。残念。
【マル】あれ、そうなの? 人材開発会社なのに「人材」が一番って言わないんだ?
【真衣】うん、ここがポイントだから聞いて。答えは「組織風土(組織運営スタイル)」なんだ。ヘイグループは、業績(成果)の約3割は「組織風土」で説明できるとし、最も影響度が高いと言う。意外にも「人材」とは言わない。
優れたチームは優れた風土をもつ
【ダイ】意外だなぁ。
【マル】組織風土って、わかるようでわからない言葉ね。
【真衣】そう思うでしょう? でもね、この話を聞くと、わかるはず。途端に「組織風土教」に入信したくなるよ。2012年に、ヘイグループの社長(現在はコーン・フェリー・ジャパン社長)高野研一氏が、こんなコラムをビジネス誌『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』(ダイヤモンド社、2012年11月12日号)に寄稿している。