調査概要/上場企業約3600社に対して質問紙の郵送による調査を実施、366社より回答を得た。調査期間は2011年2月14~23日。回答は広報担当または人事担当による。特に記載のない限り、グラフはこの調査結果をもとに作成。

MBAホルダーよりも学部新卒

「日本企業に一番人気の外国人は日本語の達者な学部新卒の留学生。2番目は日本語が得意でない学部新卒の留学生。日本でMBAを取った留学生はその次です」

MBAホルダーよりも新卒が歓迎されるところに、日本企業の外国人採用の特徴が出ている、とエーオン ヒューイット ジャパンの大滝令嗣会長はいう。

「日本企業は社員にはとことん日本流を教えこみたい。だから自社で教育しやすい、日本語のできる新卒学生を歓迎する。一方、MBAホルダーは教育がしづらく配属にも気を使う。ですから優秀なMBAホルダーも日本での就職は苦労します。日本企業にはまだ優秀な外国人を使いこなす十分なノウハウがなく、グローバル化に関しては進化の途中ですね」

日本企業の外国人採用数が増えている。外国人を多く採用する企業の狙いはどこにあるのか。

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外国人採用

パナソニックは2011年度の新卒採用のうち約8割、1100人程度が外国人だ。10年度の新卒採用の外国人比率は6割と、年々外国人の比率が増えているが、急に増やしたわけではない、という。

「最近、当社の外国人採用数が注目されることが多いですが、昔から採用の過半数は外国人です。ただ今後、新興国への展開にさらに力を入れていくことは間違いない。ですから今後も現地外国人の採用数は増加していくと思います」(広報部)

ファーストリテイリングでは、12年度、1300人の新卒採用のうち、8割弱を外国人にする予定だ。そのうち1000人近くが現地採用の外国人だ。(※2011年当時)