その後、10年に英語の社内公用語化が決定したことを考えると、インド人の日本語習得の速さが三木谷氏の判断に少なからず影響していた、と考えるのも当然だろう。
楽天は外国人採用に当たって日本語の能力は考慮しない。社員間の情報共有に力を入れている楽天は、英語の公用語化で言語の壁は取り払えると考えており日本語能力は採用に影響しないのだ。楽天は新しい時代の外国人採用の1つのモデルを示しているかもしれない。
働く側の外国人に日本企業はどう映るのか。大手電機メーカーに勤務する中国出身のMさん。日本の一流大学理系学部を卒業後、今の会社に入社。30代前半の女性だ。Mさんは日本企業の特徴を次のように話す。
「なんでも縦構造で物事が進みます。別の部署から簡単な問い合わせがきたときも、一旦上司に上げなければならない。だから部署を超えた横展開がないし、スピードが遅くなります。
それから減点主義ですね。何かして失敗するよりは、何もしないで失敗しないほうが評価される。会議でアイデアは出ても、誰がやるのかとなると手が挙がらない」
Mさんは人事評価でも日本と外国企業は異なるという。
「欧米系電機メーカー中国支社に転職した友人が、転職して正解、といっています。理由は人事評価。自分が納得できる評価をしてくれるようです」