アルコール離れの若者が朝からゴクゴク飲むモノ
アルコール度数8%を超えるストロング系の飲料の新規販売をとりやめたり、ラインナップを減らしたり、といった動きが大手飲料メーカーの間で広がっています。健康志向の高まりも反映していますが、ストロング系チューハイの縮小とは対照的に、水面下でじわじわ人気が出ている飲み物があります。
それは……「白湯」。パイタンのほうではなく、ストイックなお湯のほうです。
TBSの報道・情報番組「Nスタ」では先ごろ、「『白湯男子』が急増中」というテーマで取り上げていました。2024年1月にマクドナルドがホットティーの販売を終了。マックのホットティーはリプトンのティーバッグと熱湯が別々に出てくるので、ティーバッグを持ち帰り「白湯」として飲んでいた人が一定層いたらしく、惜しむ声が上がっていたそうです。ホットティーと白湯の需要がそれぞれあったことを受け、マクドナルドは、2月下旬より販売再開を決定。白湯のライフラインは守られました。
また、「冬の水分補給に関する調査」というアンケート結果(サーモス調べ、24年1月発表)によると、「白湯を飲みます」と答えた人で一番多いのは、20代男性で50%という結果に。20代女性も43%います。
ちなみに30代だと男性38%、女性33%、40代は男性33%、女性44%、50代男性18%、女性38%という結果になっていて、この調査では20代男性の白湯率の高さが目立っています。意外にも、20、30代は美容や健康意識が高い女性よりも多いです。50代男性が低すぎてちょっと残念ですが……。若者のお酒離れが言われて久しいですが、もしかしたら酒から白湯に流れたのかもしれません。
このところコンビニのホット飲料コーナーでもときどき白湯のペットボトルを見かけます。例えば、飲料大手のアサヒ飲料が2022年11月から発売している「おいしい水 天然水 白湯」は予想の3倍売れているとか。冬だけでなく通年販売で、二日酔いのときに飲む人も多いようです。アサヒ飲料の広報担当者は新聞の取材に「水(ミネラルウォーター)がそうだったように、白湯の需要も増えていくだろう」と市場の成長に手応えをつかんでいるようです(2023年3月20日付東京新聞「『天然水を温めただけ』懐疑論を覆した担当者の思いとは コンビニで人気の『白湯』」、日経クロストレンド「アサヒの『白湯』が想定の3倍超ヒット 男性市場の拡大に活路」)。