最初は両親がウクライナ人だから話題になった椎野カロリーナ
ミス日本2024のグランプリを獲った椎野カロリーナという女性が、私たちの前に彗星のように現れて瞬く間に表舞台から消えていった。
ミス日本史上初の「日本に帰化した外国人」がグランプリを取ったこと。その後、『週刊文春』に既婚者との手つなぎデートをすっぱ抜かれるも不倫関係を否定。しかし、最終的には「付き合う当初は知らなかったが、相手が既婚者だとわかってからもお付き合いを継続していた」と本人が認め、ミス日本グランプリを辞退、所属事務所も辞めたと発表。簡単に書けばそれだけの話なのだが、この一連の騒動はたった1カ月の間に、われわれにいろいろな問いを投げかけたように思う。
まずは「ミス日本」の選考基準の問題である。
私が「グランプリは帰化したウクライナ人女性」というニュースを彼女の写真と共に見たとき、真っ先に思ったのは「これは……海外の人に誤解される」だった。極東の島国で鎖国の歴史も持つわれわれ日本人が「いつの間にこんなに手足が伸びて、顔が小さく彫りが深くなったのか!」と、世界の人たちを驚かせてしまうのではないか? と。
文春砲で不倫が発覚し、彗星のごとく表舞台から消えた
そう、私は「ミスユニバース」と勘違いしていたのだ。調べたら「ミス日本」はあくまでも国内のコンテストであり、「日本らしい美しさで社会をより良くする」という理念で、「外見の美」「内面の美」「行動の美」の3つの審査基準で選考されているらしい。過去には山本富士子や藤原紀香など、他にも多くの著名人がグランプリを獲っており、結果的に女優やタレントとしての登竜門的な機能を果たしているようだ。
今回の大会の中で椎野カロリーナは確かに美しく、スタイルも抜群で、両親がウクライナ人という応援したくなるようなバックグラウンドを持っていたのだが、ミス日本の理念である「日本らしい美しさ」という部分に、「選考基準はどうなっているんだ!」「ミス日本とは、ただ美しさを競う場所なのか?」という反対派と、「スポーツ選手だって帰化して日本人選手として戦っているんだから」「今は国内に外国人もハーフも多いし無問題」という賛成派に分かれて喧々囂々していたところの、それは文春砲だった。
今となっては分からないが、彼女が騒いだわけでもなく、あそこまで物議を醸すことがなければ、雉(というのは、われわれ)があれほど鳴かなかったら撃たれなかったのでは? とも思ってしまう。それほどに彼女の不倫がキャッチされたのは早かった。文春記者、ほんと働き者だなぁ。