「相手のため」にならなければ、優しさにはならない

優しさというのは、自分が思っている通りには、相手が受け取ってくれない……という難しさがあります。

自分が「良かれ」と思って示した優しさが、相手にとっては見当違いだったり、期待外れであるという「スレ違い」は、男女の間では頻繁に起こることです。

一つだけ確かなことは、優しさというのは、相手のためにならなければ、優しさにはならないということです。

男女がデートなどで食事をする場合、「どこの店がいい?」と女性に聞くような男性は、すぐに「優しくない人」に分類されるそうです。

それが初めてのデートであれば、女性は「この人は、どんな店に連れて行ってくれるんだろう」と期待しながらワクワクしています。

和田秀樹『なぜか人生がうまくいく「優しい人」の科学』(クロスメディア・パブリッシング)
和田秀樹『なぜか人生がうまくいく「優しい人」の科学』(クロスメディア・パブリッシング)

女性には、「自分の知らない店に行ってみたい」という願望もあります。

「どこの店がいい?」というひと言は、期待と願望の二つを見事に打ち砕くことになるだけでなく、自分の知っている店に行ったのでは、「美味しい店のバリエーション」が増えないため、何の面白さもなく刺激も感じないといいます。

ほとんどの男性は、「一緒に楽しく食事ができれば、店なんてどこでもいいだろう」と軽く考えがちですが、女性は「意外性」や「新たな刺激」、「新鮮な驚き」を男性に求めています。

そうした心理ニーズに応えてくれない男性は、女性のためには何ひとつなっていないため、「この人は優しくない」と思ってしまうのです。

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