相手に優しくしても、優しいと思われない人は何が原因か。精神科医の和田秀樹さんは「優しさというのは、相手のためにならなければ、優しさにはならない。男女がデートなどで食事をする場合、女性は『どんな店に連れて行ってくれるか』という期待と『自分の知らない店に行ってみたい』という願望があるため、『どこの店がいい』と女性に聞くような男性は、その2つを見事に打ち砕きすぐに『優しくない人』に分類される」という――。

※本稿は、和田秀樹『なぜか人生がうまくいく「優しい人」の科学』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

カフェで飲み物を手に持つカップル
写真=iStock.com/Yue_
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優しさが空回りしてモテない男性の共通点

ほとんどの男性は、女性に優しくすることが「モテる男」の条件と考えていますが、どんなに優しくしても、女性から愛されない男性もいます。

周囲の人から、「あの人はイケメンだね」と言われている人であっても、例外ではありません。

これは一体、どういうことでしょうか?

その原因は、男性が「優しさ」と思い込んでいる言動が、女性には「優しくない」と映っていることにあります。

男性が「相手のため」と思ってやっていることが、逆に裏目に出ているケースが少なくないのです。

日本人の男性に多いとされる3つのパターンを紹介します。

男性にとっても、女性にとっても、日常的な「あるある」だと思います。

【ケース①】女性に決定権を委ねて、自分の意見を言わない男性

最も多いのが、「女性の意思を尊重する」ことが優しさと思い込んで、すべての決定権を相手に委ねてしまうことです。

旅行先を決めたり、どこかへ食事に行く際に、よくあるパターンです。

【女性】今度の休みは、どこに行こうか?
【男性】そっちの行きたいところでいいよ
【女性】私は京都がいいな。どこかある?
【男性】すぐには思いつかないな
【女性】じゃぁ、京都でいい?
【男性】京都には詳しくないけど……

男性は女性の考えを大事にして、それを「最優先」することを大事にしています。

すべての決定権を女性に委ねることが、女性に対する優しさだと思っているからですが、こうした対応をされると、女性は「優柔不断な人だな」とか、「自分の意見はない人なのかな?」と感じてしまいます。

男性が考える優しさを、女性は「物足りない」と受け取ってしまうのです。

「彼女は何を望んでいるんだろう?」と考えることは大事ですが、それだけでは相手を不安にさせるだけです。

女性によっては、「黙って俺についてこい」的な強気な言動を好む人もいるでしょうが、多くの女性が「一緒に考える」くらいの協調的な姿勢は見せてほしいと思っています。

優しさが空回りしている男性は、こうして恋愛対象から除外されているのです。