B課長はA課長より先に部長に昇進した
その後、予想通りB課長は、特命プロジェクトに招集されました。彼はなんとかプロジェクトをやり遂げ、役員もその成果に満足した様子。それ以降も、何か特命プロジェクトがあるたびに招集される、ということを繰り返すようになったのです。
どんどん新しいことにチャレンジするうちに、実際にB課長の能力は上がっていき、なんと驚くべきことに、最終的にはA課長を追い抜いて、先に部長に昇進してしまったのです!
評価が、年1回の評価会議の中だけで決まっていると思ったら、大間違い!
いつも優秀な人材を探している管理職や役員は、評価会議のときだけではなく、普段から「誰かいいやつはいないか」と目を光らせているものなのだと、そのときにはじめて知りました。
実際には、経験豊富なA課長は、能力があるのはもちろん、新米のB課長にはない「部下からの信頼」までも持っていました。本来であれば、B課長よりも、高く評価されてもよかったはずです。
年1回の人事評価より普段のアピールが重要
A課長の能力と信頼は一緒に仕事をしている人たちには伝わっていました。もちろん書類上にも書かれていたに違いありません。ですが、残念ながら、外見で、本来よりも「デキなそう」な印象を与えてしまっていたために、そのことが、部外まで広い範囲で「伝わる」ことも、評価会議以外の場で、役員に「伝わる」こともありませんでした。
その能力は「年1回」の次の評価会議まで、ファイルの中で眠ることになってしまったのです。
一方、B課長はまだ新米課長なのにもかかわらず、「デキそう」な外見の印象が、遠くから役員の目にもとまり、その「能力」が「伝わった」のです(多少盛り気味に!)。
そして、「特命プロジェクト」への参加を繰り返すことで、さらにその能力は磨かれ、結果的に昇進という未来をかなえることができました。A課長よりも先にです!
この出来事をきっかけに、私は、「なぜかスルスルと理想の未来をかなえている人たち」の存在に気づくと同時に、「年1回提出する評価シートと、年1回の面談でアピールしているだけでは、ダメなんだ」ということに、ようやく気づくことができたのです。