「本人にも責任ある」は自分にも当てはまる

さて、女性グループのランチで、このA課長、B課長の昇進の行方が話題にならないはずがありません。

「ねえねえ、聞いた⁇ Bさん、部長になるらしいよ! なんでBさんが⁉ Aさんのほうが、能力だけじゃなくて部下の信頼も厚いのに」
「上の人って、本当に見る目ないよね」
「Aさんかわいそうに……でも本人にも責任あるよね」

このエピソード、私の講座の中でお話しすることがよくあるのですが、皆さん、にやにやしながら「あるある、似たようなこと」とおっしゃいます。

あなたの周りでも起きているのではないでしょうか。

男性の昇進レースを、あるあるトークのネタにしている場合ではありません。私たち女性にも似たようなことは起きています。

外見のせいで能力を評価されない女性たち

・ 学歴も高く英語も堪能。能力もあり、人間性もとても素敵なCさん。でも、いつもほぼノーメイクに、乾かしっぱなしのヘア。なんとなく顔色が悪く疲れて見えます。彼女は後輩に、昇進で先を越されてしまいました。

・ 資格取得の努力を惜しまず、仕事が速いので、課内で頼りにされているDさん。でもキラキラアイシャドウに、マツエクがギャルっぽい。一方、真面目な印象の後輩は、上司に連れられ、対外的な仕事を増やしています。彼女が交渉スキルを身につけていくのを横目に、Dさんは課内での補佐的なポジションにとどまっています。

・ 課長のEさん、髪色が明るすぎて、陰で「ヤンキー姉ちゃん」とあだ名がついてしまっています。会議で意見を言っても、なかなか部長陣に真剣に聞いてもらえません。他の男性が同じことを言ったら耳を傾けてもらえているのに……。

これらのエピソードはすべて、能力があるにもかかわらず、「外見」で、その能力を伝えることができていない。むしろ知らず知らずのうちに真逆のネガティブなメッセージを発信してしまっているために、評価・昇進につながっていないケースです。

あなたの身の回りにも、こんな女性が、いるのではないでしょうか。

そして、あなた自身はいかがでしょうか?

口紅を塗る女性
写真=iStock.com/Wand_Prapan
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